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IPO準備/上場会社でひと工夫Part.24-内部統制とリテラシー教育-

  • 執筆者の写真: 長嶋 邦英
    長嶋 邦英
  • 2 日前
  • 読了時間: 7分

 IPO準備会社と上場会社。それぞれ立場は違いますが、意外にもその悩みどころや解決策に共通点があります。ここではその " ひと工夫 " をご紹介します。

 今回は「内部統制とリテラシー教育」のひと工夫を取り上げます。





リテラシー教育を考えるときのひと工夫

 リテラシーとその教育については、これまで以下の記事で皆さんと一緒に考えてみました。


 ただし、これまでの記事では、具体的にどの分野のリテラシーに関する教育をするのが良いのか/すべきなのか?について言及しておりません。その理由は「Part.21-リテラシー教育③-」でご紹介したとおり、皆さんの会社において「会社の方針として何を重視するのか」を十分に検討して、各ジャンルから取捨選択して教育を実施するのがよいからです。いままでも会社の方針として何を重視するのかを踏まえて社員教育の分野と内容を毎期検討していた会社の皆さんにとっては、従来どおりに検討することをお勧めします。ただ、いままでこのような検討をせずに、例えば社会状況等を鑑みて必要に迫られて社員教育の分野と内容を検討していたなどの会社の皆さんにとっては、少々難しいかもしれません。なぜなら、例えば会社の方針といえば中期計画や毎期の事業計画に掲げる経営方針を思い浮かべるかと思いますが、経営方針を定める際に社員教育のことも踏まえて定めている会社はあまり無いと思うからです。そうなれば社員教育を担当する部門の皆さんは、いろいろ思考を巡らせて社員教育の計画を検討しなければなりません。できることなら、経営方針なのですから会社自体のサスティナブルと業績・社員教育を含む企業価値向上のサスティナブル(以下総じて「会社のサスティナブル」といいます)を要素に入れた経営方針を策定することを強くお勧めします。会社のサスティナブルに必ず必要なのは人材です。人材は「人財」であり、従業員等の皆さんが継続して在籍し、企業価値向上に資する能力の発揮と成長することができる環境(=会社)があってこそ会社は持続可能です。会社=経営者はその環境を提供する責務があります。労働基準法、労働安全衛生法等労働関連法令に定められている労働環境の整備を遵守するだけで会社のサスティナブルが可能になるわけではありません。そのためにも、リテラシー教育を考えるときのひと工夫として、「会社の方針として何を重視するのか」と並行して会社のサスティナブルの一環として、社員教育のなかにリテラシー教育も含めることをお勧めします。



内部統制リテラシー教育の必要性

 そしてもうひとつ、リテラシー教育の実施を検討する際には、ぜひ「内部統制リテラシー」に関する教育の実施をお勧めします。内部統制リテラシーに関する教育の実施をお薦めする理由は3つあります。

  1. 内部統制は法令上、会社の経営者がその仕組みを整備し、運用する責務があること。

  2. 内部統制は、経営・事業・リスク・会計・財務・法務等会社の経営・事業に関する様々な分野の考え方の根幹にあたるものであり、この根幹をしっかり定めることで会社の経営・事業に関する様々な業務の有効性、効率性、信頼性を保つことができること。

  3. 内部統制リテラシーを経営者から従業員等に周知し従業員等がこれを誠実に遂行することで、経営・事業・リスク・会計・財務・法務等会社の経営・事業に関する会社自体の業務の信頼性、有効性、効率性を確保することができること。


 1と2はご案内のとおりJ-SOXにそのように定められております。これを遵守すること自体がJ-SOXの4つの目的の一つを達成することとなります。これが大前提となって3が成立します。3は今回のお勧めの結論です。これまでの記事でも、内部統制を実務の中で遂行するのは従業員等の皆さんであることをご紹介しておりますが、これは従業員等の皆さんが自社の内部統制の基本方針、考え方、整備されたルールの内容等を理解していなければ、会社の財務報告の信頼性は確保できないからです。

 では、なぜ経営・事業・リスク・会計・財務・法務等会社の経営・事業に関する様々な分野がある中で、特に内部統制リテラシーの教育が必要なのか。それは、内部統制が経営・事業・リスク・会計・財務・法務等会社の経営・事業に関する様々な分野の考え方の根幹にあたるものであり、これらの分野に内部統制の要素が含まれているからです。例えば、会計・法務等は当然に「法令遵守」が前提となります。会計は「会計基準」を遵守し、その基準の中で自社が選択して遵守する会計処理方法もあります。これらは経理部門以外の他の従業員等にとっては実務に影響するものでは無いから知らなくて良い、ということは決してありません。他の従業員等の業務遂行状況がメチャクチャだとしたら、いくら経理部門で会計基準を遵守しているといっても(財務)報告の信頼性が疑われます。ですからJ-SOXの4つの目的の一つ「業務の有効性及び効率性」を達成するためには、内部統制リテラシーの教育をすべての従業員等に実施する必要があります。そのようなわけで内部統制リテラシー教育の必要性の最大の理由(=お薦めする結論)として3を挙げております。繰り返しになりますが、内部統制は会社の一部の従業員等が理解し遵守しているだけでは内部統制の4つの目的を達成したとは言えません。会社のすべての従業員等が理解し遵守し、遂行することで内部統制の4つの目的を達成したと言うことができます。

 社員教育の一環としてリテラシー教育の実施を検討する際には、ぜひ「内部統制リテラシー」に関する教育の実施をお勧めしている次第です。



内部統制は会社の根幹

 さきほど「内部統制が経営・事業・リスク・会計・財務・法務等会社の経営・事業に関する様々な分野の考え方の根幹にあたるものであり、様々な分野にこの内部統制の要素が含まれている」とご紹介しましたが、このことはすでに皆さんもお気付きの点かと思っております。社内で経営・事業・リスク・会計・財務・法務等会社の経営・事業に関する様々な分野を検討する際に、必ず内部統制の要素が含まれています。逆に言えば、内部統制の要素無しに会社の経営、事業等を考えることができないものとなっております。これは上場会社に限ったお話しではありません。ですから会社の内部統制の基本的な姿勢(=基本方針)は単にステークホルダー等対外的なもののためだけでなく、その会社の従業員等がその内容を理解し、社内の部門、業務の隅々まで深く浸透している状態であることを公に開示すること。そして基本方針には、会社が信頼性のある財務報告を重視し、財務報告に係る内部統制の役割を会社の方針・姿勢等を踏まえて策定する必要があることをJ-SOXが求めていると考えます。(※以前の記事「内部統制に向き合う Part.16-内部統制基本方針-」をご参照ください。)


 私がこれまで内部統制、内部監査、管理部門の業務、法務等いろいろと記事としてご紹介し、皆さんと一緒に考えてまいりましたが、多くの記事で内部統制の要素を含めていると思います。これは、内部統制の要素を含めていないと内部統制、内部監査、管理部門の業務、法務だけでなく会社のすべての業務、事業推進、経営に関するお話しを成立させることが難しいからです。内部統制は会社の根幹です。

 もし皆さんの会社で、例えば事業計画を策定する、新規事業を検討する、新しい規程を作成する(作成する必要に迫られている)、業務改善を行うなど、様々なことを進める/検討する際には、ぜひ内部統制の要素を含めることをお勧めしますし、いつ内部統制に関する知識・考え方等が必要になるかわかりませんので、そのためにもぜひ「内部統制リテラシー」に関する教育の実施をお勧めします。






当社が提供するサービスとして


当社が提供する「Corporate(管理系)部門 業務支援」サービスでは、


  1. IPO準備中企業のCorporate部門の業務内容の確立をサポート支援いたします。

  2. 上場企業のCorporate部門の再構築、業務内容の改善をサポート支援いたします。

  3. IPO準備中・上場企業のCorporate部門にかかる業務の業務委託受託先(外部)として業務遂行いたします。(法務業務支援など)


 この機会に、ぜひCorporate部門のあり方、必要性をご理解いただき、Corporate部門の業務体制構築/再構築、業務支援をご検討ください。



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