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IPO準備/上場会社でひと工夫Part.23-リテラシー教育⑤-

  • 執筆者の写真: 長嶋 邦英
    長嶋 邦英
  • 4 日前
  • 読了時間: 6分

 IPO準備会社と上場会社。それぞれ立場は違いますが、意外にもその悩みどころや解決策に共通点があります。ここではその " ひと工夫 " をご紹介します。

 今回も「リテラシー教育」のひと工夫を取り上げます。





不祥事はすべて「リテラシー不足」で説明できます①

 前回の記事「IPO準備/上場会社でひと工夫Part.22-リテラシー教育④-」の続きとなります。このリテラシー教育については、社内教育(社内研修)の枠では説明しきれない、上場会社・IPO準備会社にとってはとても重要な事柄ですので、少々長いですが連載しております。


 会社の不祥事はすべて「リテラシー不足」で説明がつきますし、いくら素晴らしい商品・サービスを提供している会社でも「リテラシー不足」のために悲しい結果を見た会社はたくさんあります。あまり芳しくない事例として挙げるのは申し訳ないのですが、2022年頃から五月雨式に自動車業界全体で発覚した認証試験データの改ざん等不正行為をみてみたいと思います。

 一連の認証試験データの改ざん等不正行為は、世間ではコンプライアンス、ガバナンス違反として紹介されています。この事案は、自動車業界自体はもとより自動車産業を基幹産業としている日本の経済にとっても大きな打撃でした。ですが、そこから各自動車メーカーは改善を実施しているのですが、例えばトヨタ自動車は自社内の改善活動を「トヨタイムズ」サイトで公表しています。いくつか挙げますと、

 トヨタ自動車がこれらを公表していることは、相当の決意をもった姿勢でなければできることではないと感じております。それは単なるコンプライアンス、ガバナンス違反という認識を超えて、会社自体がリテラシーを持つことと全社を挙げてリテラシーを培う会社に生まれ変わっていく決意をもった姿勢だと理解しました。このトヨタ自動車の姿勢は世間では高く評価され、現在の売上状況は申し分ないものとなっております。一方、その他のメーカーのこの事案発生当時からの状況はどうでしょうか。それは自動車販売台数、売上高、リセールバリュー(再販売価値、転売価値)等を見ると明らかです。ここから理解できることは、会社は不祥事を発生させないリテラシーを持つことだけでなく、そもそも不祥事を発生させる「社内環境」を作らないリテラシー、不祥事が発生してしまった際の対応に関するリテラシー、不祥事発生後の改善活動のリテラシーを持つ必要があるのではないかということです。リテラシーとは「情報を的確に読み解き、またそれを活用するために必要な能力」(引用:国立国語研究所のことです。せっかく与えられた「情報」(この事案では「認証試験データの改ざん等不正行為」)があるにも関わらず、その情報を的確に読み解き、活用し応用することを実践していなければ「リテラシーのある会社」とはいえないかもしれません。そのようなわけで、今回の記事で会社の不祥事はすべて「リテラシー不足」で説明できるというテーマを挙げ、これまでもリテラシー教育について連載した次第です。



不祥事はすべて「リテラシー不足」で説明できます②

 改めて以前の記事「IPO準備/上場会社でひと工夫Part.21-リテラシー教育③-」で取り上げました事例「不適切な会計処理事案」を振り返ってみたいと思います。

 当該事案が発生した某社の調査報告を拝見すると、「本件の原因」の記述があります。ここに真っ先に記されているのは、「売上・利益成長至上主義の目標設定」と「経営トップによる叱責を含め業績達成に対する過度なプレッシャーの存在」です。繰り返しになりますが、会社にとって売上・利益を追求することは会社の存続と成長に不可欠なことです。これは京セラ株式会社創業者・稲盛和夫さんも「公明正大に利益を追求する」と言っておられます。(参考:京セラ株式会社「稲盛和夫Official Site」-稲盛和夫研究-より「公明正大に利益を追求する」)それに経営トップから業績達成のプレッシャーも同様です。問題は、「売上・利益成長至上主義の目標設定」と「経営トップによる叱責を含め業績達成に対する過度なプレッシャーの存在」のどこが、どのように不祥事の原因として挙げられる理由なのかです。事業計画の目標設定のどこが・どのように不祥事の原因として認識したのか。経営トップから業績達成のプレッシャーのどこが・どのように不祥事の原因として認識したのか。それらの点を究明することで改善活動と再発防止に役立つのだと考えます。上場会社は証券取引所から改善報告(再発防止策を含む)の提出を求められます。(参考:JPX日本取引所グループ「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ですから不祥事が発生した後はこれを収束させるだけでは終わりません。稀なケースですが、この改善報告の内容が不十分な場合は報告の再提出や、最悪の場合は上場廃止の決定を受けることとなります。直近でもこのケースが発生しています。改善報告に求められるものの中には、効果的・効率的・合理的な再発防止策だけでなく、再発防止のリテラシーの存在と今後そのリテラシーが培われていく社内環境となるのかという点もあります。効果的・効率的・合理的な再発防止策といっても多くの場合は、規程等ルールの再整備やチェック機能の整備(部門・部署の設置や内部監査部門の人員増など)を挙げられることがありますが、規程等ルールが多い又は詳細に定めたからといって再発防止のリテラシーとそのリテラシーが培われる社内環境が無ければ再発防止の効果は薄いかもしれません。またチェック機能の整備のために新たに部門・部署の設置や内部監査部門の人員増を行うとしても、規模とかかる費用に限界がありますし、再発防止のリテラシーとそのリテラシーが培われる社内環境が無ければ宝の持ち腐れになりかねません。ですから再発防止のリテラシーとそのリテラシーが培われる社内環境は、不祥事が発生した会社だけでなくどのような会社にも必ず必要なものだと考えます。もちろん、従業員等の皆さんだけでなく、経営者も含みます。ぜひ全社で再発防止のリテラシーとそのリテラシーが培われる社内環境の整備を行うことをお勧めします。


 リテラシーとその教育について連載して、皆さんと一緒に考えてみました。従業員等はもとより、経営者を含む会社全体においてリテラシーを持つこととリテラシーが培われる社内環境を持つことはとても大切ですし、会社の企業価値の向上につながります。ぜひこの機会に社内教育を見直してリテラシー教育を加えること、会社も従業員も一緒に成長できるリテラシーが培われる社内環境を作ることをお勧めします。





当社が提供するサービスとして


当社が提供する「Corporate(管理系)部門 業務支援」サービスでは、


  1. IPO準備中企業のCorporate部門の業務内容の確立をサポート支援いたします。

  2. 上場企業のCorporate部門の再構築、業務内容の改善をサポート支援いたします。

  3. IPO準備中・上場企業のCorporate部門にかかる業務の業務委託受託先(外部)として業務遂行いたします。(法務業務支援など)


 この機会に、ぜひCorporate部門のあり方、必要性をご理解いただき、Corporate部門の業務体制構築/再構築、業務支援をご検討ください。



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