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内部統制に向き合うPart.18-指摘・改善事項への対応②-

  • 執筆者の写真: 長嶋 邦英
    長嶋 邦英
  • 6 日前
  • 読了時間: 6分

 2023年04月内部統制報告制度(J-SOX2023改訂版)が15年ぶりに改訂されて内部統制が様変わりし、皆さんの会社では豊富な知識と蓄積された経験をもとに日々内部統制を進化させていることと思います。その知識と経験をいったん振り返って整理し、さらに実践に役立つ戦略・戦術として活かすことを考えてみたいと思います。

 今回も、指摘・改善事項への対応についてです。





【参考となる書籍・資料】

財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(企業会計審議会・金融庁)※

(※監査基準と実施基準は、以下総じて「J-SOX」といいます)



指摘・改善事項の捉え方③

 前回の記事「内部統制に向き合うPart.17-指摘・改善事項への対応-」では、私たち内部統制評価者による指摘・改善事項の捉え方としては、指摘・改善事項をどのように認識・把握し、会社の経営方針に基づいてどのように改善するのかという観点で見ていくことをお勧めしました。

 指摘・改善事項は、私たち内部統制評価者が検出するもの、監査法人による内部統制監査によって検出されるものがありますが、それらの指摘・改善事項は取りこぼしの無いように「経営者をはじめとする組織内の全ての者が、ここに示した内部統制の機能と役割を効果的に達成し得るよう工夫していくべきものである」(J-SOX10ページ)とJ-SOXは示しています。原則は期中内の改善です。中には「軽微な指摘・改善事項だから」と気軽に考えてしまうことがあるかもしれませんが、軽微なものかどうかを会社が判断してしまうことは避けた方が良いでしょう。その軽微な指摘・改善事項が後になって大きなリスクとなり、インシデント、最悪はアクシデントとして被害・損害が発生することが考えられるからです。内部統制は、一度定めたルールは日ごとに陳腐化することを踏まえて、定期的に確認・見直し・改善するためのPDCA活動を会社全体で実施することが前提です。もし指摘・改善事項を検出したとしても、改善することがJ-SOXで求められています。監査法人からも指摘・改善事項の一覧を提出するよう求められると思いますが、これは会社が指摘・改善事項を把握し、どのような手続を経て改善しているのか、したのかを確認するための手続です。また、指摘・改善事項の中には、例えば業務プロセス(PLC)の業務記述・フローチャートを修正する必要がある場合は事前に監査法人に相談したうえで勧めていく必要があるものもあります。この場合は、整備評価から少なくとも2〜3か月前までに修正するのが望ましいです。期中の整備/運用評価後に業務記述・フローチャートを修正するのはかなり困難ですし、評価自体をやり直す必要が生じます。そのため、指摘・改善事項の改善のための業務記述・フローチャートの修正が必要な場合は、年間スケジュールのことも踏まえて対応することをお勧めします。



指摘・改善事項の捉え方④

 ここまで考えてみると、指摘・改善事項はとても怖いもの、指摘・改善事項があってはダメなもの、などを思ってしまうかもしれません。ですが、ご安心ください。指摘・改善事項が無い会社は存在しません。誤解を恐れずに言いますと、指摘・改善事項があっても改善すればよいのです。J-SOXは会社に対して、内部統制の機能と役割を効果的に達成し得るよう工夫していくことを求めています。ですから、もちろん改善するための内部統制体制が整備されていることが前提となりますが、その体制において誰が、どのような手続を経て、誰に対し改善指示が出され、その改善状況が報告されるという流れが必要です。この流れ、つまり平時では業務の有効性及び効率性のためのPDCA活動を、指摘・改善事項を検出したときは内部統制の機能と役割を効果的に達成し得るためのPDCA活動を行う流れが会社にあれば、何ら恐れることはありません。平時の際に、いざというときにその流れが果たして機能するのかどうかを点検する必要もあるかもしれません。

 もうひとつ。実は私は指摘・改善事項を検出すると、とても嬉しくなります。これは以前の記事「- 内部監査に必要なこと -」でご紹介しましたが、会社にとって指摘・改善事項は企業価値を高める「お宝」です。これは内部監査、内部統制いずれにしても同じです。指摘・改善事項は改善しなければ大きなリスクであり、後に間違いなくインシデント、アクシデントに発展しますし、不正行為は言語道断です。しかし、その指摘・改善事項に対する改善行動がうまく機能して、その改善を検討しているときにいままで以上に業務の有効性及び効率性を高めるよいアイデアを創出し、そのとおりに改善することができれば、会社にとってその指摘・改善事項は貴重な財産になり得ます。これについても、もちろん改善するための内部統制体制が整備されていることが前提となりますが、その指摘・改善事項が単なる「対処」となるのか、今後の企業価値の向上に資する文字通り「改善」となるのか。それは皆さんの会社次第かと思います。


 私はこれまで約3年間、内部監査・内部統制・法務・管理部門等に関することを記事にして皆さんにご紹介しましたが、これらすべては単なるノウハウのご紹介、豆知識、いままでの経験談のご紹介ではなく、企業価値の向上のためにどのように考え、行動したらよいかをご紹介しているものです。内部監査・内部統制・法務・管理部門等は " コストセンター " (Cost Center)と言われることが多いですが、実は企業価値向上のための " プロフィットセンター " (Profits Center)です。これは経営者層の皆さんがこのように理解していただくのと同時に、私たち内部監査・内部統制・法務・管理部門等もこのことを理解する必要があると考えます。

 ぜひ企業価値の向上のために行動できる部門、担当者、責任者になることを、お勧めします。





当社が提供するサービスとして


当社が提供する「内部統制・内部監査体制構築」サービスでは、


  1. IPO準備中企業の内部統制体制の構築とその業務内容の確立をサポート支援いたします。

  2. 上場企業の内部統制体制の再構築、業務内容の改善をサポート支援いたします。

  3. IPO準備中・上場企業の内部統制にかかる業務の業務委託受託先(外部)として業務遂行いたします。(*内部統制責任者として、社内に1名選任をお願いします。)


 この機会に、ぜひ内部統制のあり方、必要性をご理解いただき、内部統制の体制構築/再構築をご検討ください。



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